安定した職業として公務員は人気があります。ですが、公務員になるには高校を卒業していないと試験を受けることは出来ません。何らかの事情で高校を卒業出来なかった人は、公務員になることが出来ないのでしょうか。そんな時には、通信制高校に通って高卒と同等の資格を手にすることが出来ます。
そこで、通信制高校から公務員を目指す方法について詳しく解説します。
通信制高校とは
通信制高校とは、通信教育で学習することが出来る高校のことです。全日制や定時制の高校とは違い、毎日通学する必要はありません。日々の学習は家で行い、定期的に通学し、授業を受けたりレクレーションに参加します。
そして、必要な要件を満たせば卒業することが出来ます。学年制ではなく単位制であることも大きな特徴です。単位制というのは、学習内容を理解することで得られる単位のことです。学年制とは違い、例え単位が取れなくても後から再習得すれば、留年ということもありません。
ですが、単位を早く取ればすぐに卒業出来るのかというとそうではありません。通信制高校を卒業するには、3年以上在籍しているということが必要なのです。通信制高校は基本的に誰でも入学することが出来ます。年齢制限もないので、いつでも入学することが出来ます。
また、入学時の試験は学校によっては異なりますが、書類審査だけで入学出来る場合もありますし、学力試験や面接が行われることもあります。ただし、学力試験とはいっても学力の状態を見るためのもので、試験結果で入学が出来ないということはありません。
学習も基本的には自宅で行うので、自分のペースで学習することが出来ます。空いている時間はアルバイトなど自由に使うことが出来るのです。ですが、卒業するまでには最低でも3年間はかかるので、公務員を目指そうと考えている時には、通信制高校に通う年数についても考えておく必要があります。
通信制高校から公務員を目指すことのメリット
通信制高校に通いながら公務員を目指すメリットは、時間を有効に使えるということです。全日制ら定時制では授業の時間は決まっているため、時間を自由には使えません。ですが、通信制は時間が決まっていないので、空いている時間は公務員の試験対策に費やすことが出来ます。
公務員の試験には筆記試験と面接があります。高校に入試すると同時進行で公務員試験の対策をしておくことで、公務員試験にも合格しやすくなります。また、進路指導が充実していたり、公務員コースがあるなど、公務員試験に対する対策を積極的に行っている通信制高校もあります。
特に筆記試験の対策は念入りに行う必要がありますし、面接対策も1人で行うよりも先生による指導を受けながらの方が分かりやすいので、わからないことがあればどんどん積極的に質問しましょう。また、公務員試験についての情報を収集することも出来ます。
通信制高校で学ぶことのメリットは、公務員試験に合格するための対策がしやすい環境を作れるということです。
公務員を目指す注意点
通信制高校を卒業して公務員を目指すことは可能ですが、公務員すべての職種を受けることが出来るのかというと、それは違います。中には大卒でなくては受けることが出来ない試験もあるのでチェックしておくことが大切です。
高卒で受けることが出来る公務員試験は、国家公務員一般職です。主に学校や行政、警察での事務職や建築や土木といった専門職、更には電気などの技術職、更には農業や林業があります。また裁判所の職員などの特別職の試験も受験することが出来ます。
地方公務員の試験も高卒で受験することが出来る試験です。地方自治体で働く職員のことで、事務や技術、更には公安官に分類されます。どの試験を受けることが出来るのか事前に確認してから、試験対策を行うことが大切です。
また、高卒の資格を取ってから2年過ぎると受験資格を失いますし、年齢制限によっては受験出来ないものもあります。公務員の試験を受ける時には、受験資格があるかどうかを確認してから受けることが大切です。
公務員の仕事を知る必要性
公務員というのは、民間の仕事と違い物やサービスを提供する訳ではありません。人や社会のために働く仕事です。そして、公務員には国家公務員と地方公務員の2種類があります。国家公務員というのは、国家の運営に携わり、日本全国で働く職業です。
また、地方公務員というのは地域の住民に密着した仕事を行います。国家公務員か地方公務員どちらを目指すかで勉強する方法も変わってきます。通信制高校に入学した後はどちらを目指すのか早めに決めておくことが大切です。
公務員として働くことは景気にはあまり左右されないので、あらゆる職業の中でも比較的安定していると言えます。また、週休2日制で育児休暇や介護休暇をとることも可能です。子育てをしながら働きたい、両親の介護がしたいという時には、公務員の仕事を選択するのも良いのではないでしょうか。
公務員を目指す時には、まずは公務員についての仕事の内容や働き方について詳しく知ることが必要です。詳しく知ることで、試験を受ける時の対策もしやすくなります。
面接での対策
通信制高校を卒業した後で公務員の試験を受ける時には、面接対策をしっかりと行っておきましょう。面接の中で通信制高校に通っていたということが話題になる可能性があります。その時に、通信制高校を選んだ理由について問われる可能性があります。
この時に、はっきりとした理由がなくては合格が難しくなります。単に高校の資格を取るためという言葉だけでは効力は発揮しない可能性もありますし、軽い気持ちで学んでいたのだろうかという印象を相手に与えてしまう可能性もあります。
また、通信制を選んだということに対して最初からネガティブなイメージを感じている人もいます。面接の時には、通信制高校で学ぶことの必要性を伝えると効果的に動く可能性もあります。例えば、自由な時間を有効に使って学ぶことが出来ることや、公務員の試験を受けるために取り組んできたことなどを説明して、出来るだけポジティブなイメージに変えると効果的です。
また、何らかの事情で高校進学が出来ず通信制高校を選択したという場合は、どのようにしてその困難に立ち向かい、どのように克服してきたのかを説明することで好印象になる可能性があります。